方言で言う「がんぴ」はシラカンバのこと

私たちの森には何種類もの
樹木が生育していますが、
主な構成樹種はシラカンバとミズナラ。
よく「シラカバ」と言われている
樹木はこのシラカンバのことを指しています。

樹木の多くは樹皮が縦方向に
溝が入るように割れていきますが、
シラカンバの場合は横方向です。
しかも成長しても溝は入らず、
薄くペリっと細く剥がれるように
なっていきます。

弱ってきていたり
年を重ねてきたりすると

こんな風にべりッと
大きく剥がせる部分が
でてきます。

これを「がんぴ」と言って
昔は着火剤として使っていました。
静岡以西には和紙の材料になる
正真正銘の「ガンピ」という
樹木がありますが、
発音が一緒なだけで
それとは別物なんですよね。
着火剤の方の「がんぴ」は
今でも焚き火や薪ストーブで
使う方はいます。
かくいう私もその一人。
森で採取した「がんぴ」を
使って毎朝火を付けています。
面白いほどよく燃えるので
市販の着火剤はいらないほど。
自前の森からエネルギーを得る生活、
非常に大変ですが楽しいです。

冬の森の主はクマゲラか

野良仕事のため小屋の外に出ると、
アカゲラやオオアカゲラにしては
大きなコツコツと木を穿つ音が
聞こえてきました。
気になって見回すとクマゲラでした。

私たちが所有する森には
色んな生き物が生息していますが、
中でも一際目を引くのが
このクマゲラ。
日本最大のキツツキの仲間です。

昨年の秋から小屋の環境整備で
森に通っているのですが、
その時から「ケーン、ケーン」と
鳴いては「コロコロコロコロ」と
飛び立つ2羽の姿を見ていました。
山の裾野の森を買ったので、
冬になればもっと近くで見られる
機会がくるかもしれないと
思っていたら案の定^^
この日はカラマツの内部で
越冬しているであろうアリを
食べるために木をつついていました。

フィールドには頻繁に足を運ぶ
人生を送ってきたので、
クマゲラの存在自体には驚きませんが、
自分が所有する森にいるとわかると
嬉しさは倍増です。
クマゲラは大径木のある森で
繁殖をするので、繁殖期には
山の奥に移動してこの森では
見られなくなると思います。
それでも、四季を通して数多の
生き物が利用しているのを
間近で感じられるこの森は、
「生物多様性」というテーマ通り。
未来の人に繋いでいきましょう。

クマゲラの食痕

先日見かけた採餌中のクマゲラ。
あまりしつこく見ていると嫌われ
かねないので、人間は一度退散し、
後日つついていた木の様子を見てきました。

一カ所はあまりに高い場所だったので
内部の様子まで見られませんでしたが、
目線の高さにも小さいですが
食痕がありました。
アリの残骸でもあれば
それを食べていたと分かるのですが、
今回は見当たらず。
アリを食べていたのか、
それともカミキリムシの幼虫を食べていたのか?

参考までに、
これは大昔に見た時の画像。
クマゲラが空けた穴の中や
周囲に残っていた
ムネアカオオアリの残骸の内の一つ。
これだけ無傷(?)の状態で
残っていました。

穴の観察を一通り済ませて
反対側に回ると、
点々と打刻した跡がついていました。
ここかな?こっちかな?と
試し打ちをしながら餌の在りかを
探していたのでしょうか?
興味は尽きません。
また来て。

森を眺めながらのデスクワークは誘惑過多

森の中に建てた小屋の中で
一番のこだわりは大きな窓。
森の中にあるのだから
開放的な窓が欲しいという
リクエストにもとづき、
工務店には設計上問題のない
レベルで最大サイズの窓を2箇所
入れてもらいました。
そのうちの一つは机の前です。
本当にずいぶんと大きい窓ですが、
PC作業をしながら
外の様子を眺められるようにするため、
そのようにしてもらいました。

しかし、この窓が曲者。
仕事中にも関わらず、
森の様子が気になって
頻繁に顔を向けてしまいます(笑)
森と繋がる小屋の設計としては
正解に近かったようですが、
お陰で誘惑の多い環境とも言えます。
ここで大人しくデスクワークをするには
強い意志が必要です。

と、言っているそばからほら
エゾリスが来てるじゃないの。
ということで・・・。

森を目の前にしての事務仕事は無理かもしれない

小屋には薪ストーブを
設置しているのですが、
慣れていないせいもあってか
時々薪加減を間違えて
室内が常夏の仕様に
なってしまうことがあります。
電気で動くものと違って
設定温度を下げるとか
すぐに消火とか
薪ストーブは無理なのです。
先日もちょっとやり過ぎたので、
窓を少し開けながら事務仕事を
していると、
「ケーン!ケーン!コロコロコロコロ・・・」の声!
そうクマゲラです。
聞いた途端、
やっほ~ぃと全てを投げ出し、
出てみると先日オスを見つけた場所の
すぐ近くでメスを見つけました。
警戒心が高く陰に隠れて
あまり見れませんでしたが。
先日のオスとこれからペアに
なる個体でしょうか。
クマゲラが飛び立ったあと、
何の気なしにしばらく待っていると

今度はカラ類の混群がやってきて
やはりしばらく観察に時間を
費やしたのでした。
ここでの事務仕事ははかどりません。
というか、無理かもしれません。

エゾクロテンとホンドテンを見に旭山動物園へ

ホンドテン
ホンドテン

小屋でデスクワークをしていると、
時々(いや頻繁かも)
生き物が視界に入ってきます。
昨年末にはホンドテンが
ひょっこり雪上に顔を
出しているのに気づき、
急いでカメラを出したものの
すぐに走り去ってしまい、
悔しい思いをしています^^

肉眼では全身色鮮やかな黄色の
毛皮を確認しているので間違いなく
ホンドテンだと思っているのですが、
この写真だけを見ると
なんだか不安になるのは
ホンドテンとエゾクロテンを
見る経験値が低すぎるからなのでしょう。

野外で見ることが難しく
識別の経験値が中々
上がらないのならば、
飼育個体を見に行けば良い!
ということでやってきました
旭山動物園。
大学4年生の時以来なので
かれこれ20年ぶりくらいです。
旭山動物園では有難いことに
エゾクロテンとホンドテンの
比較展示をしてくれています。

エゾクロテン
エゾクロテン

起きているときは
激しく走り回っていたので
思うようなアングルで撮るのに
苦労しました。
そんな最中でも
エゾクロテンを生で見るのは
初めてになるのでよくよく観察。
図鑑で見ていた通り、
全身灰色を帯びた褐色気味の
毛皮です。尾は黒っぽい。

ホンドテン
ホンドテン

こちらはホンドテン。
顔と体の境界がはっきり
するほど色味が違います。
尾の毛がスッカスカなのは
何かの病気なのか??
ホンドテンの尾は図鑑上では白っぽく、
この個体の僅かに残る毛も白いので
図鑑通りとみて良いかと。

加工済みエゾクロテン
加工済みエゾクロテン

エゾクロテンやホンドテンで
Googleの画像検索を使うと、
両種がごっちゃに混ざった情報、
要するに誤同定が溢れ出てきます。
ネットの情報というのは
やはり危ういものです。
それに、見栄えを良くするために
このように顔だけを切り取り、
さらに彩度を上げてコントラストを
バリバリに効かせて出す人もいて、
それが識別に混乱を及ぼしている
原因の一つになっているのでは?
とも思っています。
これだけ見るとちょっと迷うんですよね。
玄人には分かるのでしょうけど。

旭山動物園の年パスは1,400円、安いよ安いよー
旭山動物園の年パスは1,400円、安いよ安いよー

ちなみに、ホンドテンの自然分布は
本州・四国・九州です。
元々は北海道にはいません。
毛皮を採ることを目的に導入された
国内外来種です。
私たちの森にいるというのは
残念なことなのですが、
また出てくることがあったら
今度こそじっくり観察したいものです。
でも、それは中々難しいので、
年パスを使って通う予定です。
そして、季節を変えて
両種の夏毛の様子も
見に行きたいとも考えています。
エゾクロテンとホンドテン舎の前で、
食い入るように見ているオンナがいたら
たぶんそれは私なので、
「あぁ頑張ってるんだなぁ・・・」と思って
そっとしておいてください(笑)

-21.2℃の世界

朝方、布団から出している顔が寒い。
顔面がキンキンに冷えるぞ、
と思って目が覚めた先日。
天気予報をチェックすると
-20℃は下回っていそう。
今季最低気温の予感に
急いで森に向かいます。
(後で調べたら今季最低気温は2024年1月21日の-21.6℃でした)
こういう時ほどいつもと
違う景色が見られるはず、
と思って森に入るとやっぱり。
霧氷ができていました。
何だったらちょっと
ダイヤモンドダストっぽくもなってる。

霧氷とは、空気中の水蒸気が
木や建物などに付着した際に
凍ってできる白い結晶で、
特に寒冷な環境下(平地より山地)
で起こりやすいです。
平地でも冷え込んだ日の
川辺で発生したりします。
北海道だと猿払村とか更別村とか
十勝地方に有名スポットがありますね^^
平地でかつ水辺のない
私たちの森で見られることは
あまりないのですが、
今回は朝の数時間だけ
見ることができました。

森と小屋、冬の営業は要検討

今日は森の奥の奥、
飛び地となっている
自分たちの森の様子を見に
少し探検してきました。

夏は林道(と言っても車は通れない)
になっているルートには、
小さな沢が流れています。

その沢近辺には
ダケカンバの血が
混じっていそうなのが数本。
この辺りの樹種も
一度徹底的に調べたい。

飛び地となっている
自分たちの土地付近には
UFOが不時着していました。
(うそ)
夏になるとクマイザサで
鬱蒼としたエリアでも、
この時期はすがすがしく
歩けてしまう雪マジック。
ホンドテン、エゾユキウサギ、
キタキツネ、エゾリス、
足跡探索も堪能できました。

実は、この森と小屋の営業は
無積雪期のみにしようかと
考えていました。
12~2月上旬は天候と
それに伴う道路事情が
思わしくないもので。
(多雪地域なのでね)
来シーズンからは、
天候が比較的落ち着き
始める2月下旬から
スノーシューができる
4月頃までの期間限定で
冬季営業もいいかもしれないと
思い始めました。
雪景色の森と小屋、
自分たちだけ楽しむのはもったいない。
来年に向けて検討してみます。

人慣れしていないキタキツネ

私たちの森周辺に広がる
水田地帯は
冬は雪原状態となります。
いつも足跡こそあれ、
姿は見えず・・・なのですが、
この日はキタキツネの
姿を見ることができました。
でも人慣れしていませんので、
そそくさと逃げていきます。

逃げながらも
途中で立ち止まり
チラっと振り返り
こちらを確認。
また逃げながら
チラっと確認。
かわいいか。

用水路を挟んで
100m以上離れたでしょうか。
十分な距離が取れたようで
こちらを見ながら
くつろぎ始めました。
なんだお前かわいいか(二回目)。

この距離感は異常
この距離感は異常

かわいいので「つい・・・」なのでしょう。
観光地や山奥の工事現場に行くと、
このように人に餌付けされ
慣れ切ってしまった野生動物に
遭遇したりします。
餌付けは絶対にしてはいけません。
散々言われていることですが、
ちょっとでもダメなんです。

以下に野生動物に餌を与えてはいけない理由を挙げます。

1. 生態系のバランスを乱す可能性がある
野生動物の食物連鎖や行動が
餌付けによって乱れる可能性があります。
特定の種が増加しすぎたり、
他の生物との競争が増加したりします。

2.人に依存してしまう
野生動物が人から餌をもらうと、
それに依存し始めます。
自力で餌を探さない、
獲物を得る能力が低下する、
といった問題が発生し、
それによって生存能力が
損なわれたりする場合があります。

3. 健康リスク
人の食べ物は高カロリーだったり
塩分や脂質等が野生下では得られないほど高く、
野生動物の健康に害を及ぼします。
その他にも、人の食べ物には
野生動物にとって有害な物質が
含まれていたりします。

4. 人との接触増加によるリスク
野生動物が餌を求めて
人の生活空間に接近することで、
野生動物と人との衝突や
交通事故のリスクが増加します。

5. 病気の拡散
野生動物が密集して餌を求めると、
病気の拡散が起こりやすくなります。
特に鳥類においては、
鳥インフルエンザなどの病気が
広がる恐れがあります。

以前は個人が設置する
バードフィーダー/バードテーブル
に関して、私としては
「野鳥に親しむ心を育むことは
自然に対する関心をきっと高めるから、
ある程度は良いのでは。」
でしたが、色んな人の見解に触れ、
論文を読み、悩み悩み、今では
「野生動物への餌やりは極力控えよう。」
となりました。
なので小屋には
バードフィーダー/バードテーブルを
設置していません。
こうした施設ではよく見る光景ですが、
今後も設置しない方向です。
代わりと言っては何ですが、
水はけの悪い土地を活かして、
正しく極力自然な形で水辺を作れば
色んな昆虫や動物、野鳥がやってくるはず。
そうすれば、ちょっとは身近に
野鳥観察できそうだな、と。
森のテーマは生物多様なので
やりたい気持ちは高いです。
勉強用に本も買って読んではいます。
が、しかし、体が足りない・・・
知識のある人誰が手伝って・・・