下記に紹介する道具類は、私にとって今いちばん良いと思う物たちですが、フィールドに出る時の装備は、人(体型、性格、作業内容、よく歩くフィールドの状態、気候など)によって様々です。
一つの参考にご覧ください。
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❏靴

森を歩く時、「笹薮でも水辺でも泥々でも雨でも」気にせず突撃できるから、という理由で、私は問答無用で長靴を着用。
長靴は、甲高、幅広、ふくらはぎの太さによって合う合わないが結構ある。
Aさんは〇〇社のはOK、☓☓社のはNG、
Bさんは〇〇社のはNG、☓☓社のはOK、
なんて話しを耳にするので、色々履いて試すしかない。
私は身長の割に足が小さめ(23.5cm)で、合う長靴が中々見つからない。かつては弘進ゴムのHUMMERだったが廃盤となったので、現在は弘進ゴムのギャランを履いている。片足約570g。
中には蒸れにくさを重視する人もいるけど、もともと私は気にならない体質(性格?)なので、これが蒸れにくいかどうかは不明。
耐久性はホームセンターで売られている一般的なものに比べたら断然良い。


日常履きは、サロモンの水陸両用のウォーターシューズ。
家を出る時は踵を踏んでサンダル履き、車を運転する時や近所を歩いて移動する時は、踵を上げてスニーカー履きをしている。
(森歩きはメッシュの穴から砂が入り込むので向いてない)
脱ぎ履きしやすいのはもちろん、ベルトを締めればちゃんとフィットするデザインなので、ちょっと歩くのにも良い。
登山を終えて、窮屈な登山靴からサンダルに履き替える時にも活躍。
快適過ぎて、もう他のサンダルは履けない。


5年くらい前までは、某レルのオシャレ感のあるブーツを履いていたけど、重い、グリップがイマイチ、全体的にのっぺらぼうな形状で歩き心地が悪いことに不満を感じていた。

で、サロモンのスノーウィンターブーツ、ナイトロに変更。
硬めのアッパーで足首も覆われるデザインはホールド感良く、スノーシューの時はこれにしている。雪深くても、インナースパッツのあるスノーパンツを履いているので、これくらい短い丈でも問題なし。
内側にボアがあり、暖かい。
※現在は廃盤となっているが、近いモデルは毎年発売されている。


サンダルシューズにすっかり出番を奪われた、サロモンのハイキングシューズ。
ゴアテックス製なので、雨の日はサンダルの代わりにこちらを履いている。
※「私の足の形に合っている」というだけで、別にサロモンファンではない。色んな靴を履いてみたら、このメーカーのが一番足にしっくりきて、ノースフェイスとかキーンとかが合わなかっただけ。


❏バッグ

フィールドワークをする時に使うのはコロンビアのショルダーバッグ。
A4は入らないけど、大きすぎず小さすぎず丁度いい。
フィールドでのちょっとした使いづらさは、地味にストレスなので、それはなるべく軽減したい所。フタを被せるデザインは、物を取り出す・しまう時に邪魔と感じていたので、ファスナーオープンのこちらを使っている。


❏カメラ

オリンパス、Tough TG-4。
現在は生産終了、最新モデルはTough TG-7。

アウトドア活動など過酷な環境でのタフな使いに耐えられる防水・防塵・耐衝撃・耐荷重を持ち合わせた堅牢ボディ、そしてマクロ撮影の能力がピカイチ。
レンズ先端から1cmという距離でも被写体にピントが合う。
別売りの、フラッシュディフューザーを取り付けることで、暗い所でのマクロ撮影や昆虫の撮影がさらに向上する。

 


❏双眼鏡

ニコンのトラベルライトEXとスポーツスターEX。

どちらも8×25。
私は時々メガネを着用するので、その時は、ロングアイレリーフ仕様となっているトラベルライトが見やすい。それと、トラベルライトの方が歪みが少なくはっきりとした見え方になる。一方で視界はスポーツスターの方が広くなるので、同倍率ながらこちらの方がより全体で物が見える。
どちらも防水性あり、小型で軽いので散策時に持ち出しやすい。
肉眼で見るには遠いものをちょこっと観察するのには必要十分。でも、より大きく、より遠くのものを見ようと思ったら足りない。


コーワのBDⅡ42-10XD。

上記のトラベルライトやスポーツスターより携帯するには重く大きいが、より遠望の物をハッキリと見れる。
視野は広く、歪みなく、10倍だけど明るく、とてもシャープに見える。
最短合焦距離が1.8mと割と近くのものも見えるという点も良い。
アイレリーフは16.5mmなのでメガネをかけている夫はちょうど良さそうで、メガネなしの状態の私が使ってもフィット感は問題なかった。


❏スノーギア

スノーシュー。西洋版かんじきと称されることが多々ある。

MSRのライトニングアッセント。
これは上位モデルだが、8年位使い込んですっかりボロボロ。でも、まだ致命的な損傷はない。アッセントはフレームにも歯が付いているため、底全体で雪を噛んでくれる安定感がある。重いけれど(男女で仕様が違うけど2kg弱)、頑丈さやグリップ力はあらゆる地形・雪山に対応。
MSRには他にREVOとEVOシリーズがある。REVOには女性用モデルがあるが、EVOにはない。昔、EVOを使ったことがあるが、身長163cmの私には全く合わなかった。デッキの横幅がありすぎて、大きく横に足を広げなければならず大変歩きにくかった記憶が強く残る。男性なら問題ない?また、知り合った女性が「とあるガイドツアーでEVOを使ったが、歩きにくく股関節が痛くなって本当に辛かった。」と言っていたので、女性はよほど大柄な人でない限り、女性用モデルの購入をおすすめする。もしくは店員さんに相談しよう。


アトラスのエレクトラ(旧モデル)。
エントリー(平地向き)モデル2種類を所有。
価格や軽さ、扱いやすさのバランスのとれたコストパフォーマンスの高いスノーシュー。モンベルが販売店になっているので、こちらの店頭にも並ぶ。
私が所有しているのは、どちらも女性用モデルだが、適合荷重がどちらも36~73kgなのでよほど重たくなければ男性でも問題ない。
これは、ヒールリフターがあるのとないのとで2種類持っていて、ヒールリフターがない物の方が脱着がやや簡単。
平地を主に歩くようならヒールリフターは不要、平地メインで多少アップダウンのある地形も行くならヒールリフターのある方が良く、こちらの方がマルチに活躍する。ただ、両者の間に4000円弱の差があるので、悩ましい。


番外で15年くらい前のアトラスのシュノーシューもある。現行のランデブーに良く似ているが詳しいことは不明。アトラスはMSRのREVOとEVOと違ってスリムなデザインなので、女性モデルではなさそうなコレでも問題なく履けている。


ノーライトデザイン。
数年前にスノーシューの生産をやめてしまったため、現在は入手困難。

手軽な価格、経験の浅い人でも感覚的な操作で脱着できる作り、生産終了後も人件費はほぼ無償で修理してくれるなど、良心的なメーカー。
スノーシューが日本で出回り始めた数十年前(当時は今より選択肢が少なく高価だった)、もっと手軽に雪と親しめる道具を提供したいという想いから、試行錯誤して製造を始めたのだそう。現在はピンきりではあるが、色んなスノーシューが市場に出回るようになり、認知度も上がってきたため、自分たちは役目は終えた(=生産終了)と言うことらしい。
有名ブランドのスノーシューに比べたら色々言う人もいるけれど、作り手の想いがこれだけ詰まった道具を他に知らない。
詳しくはこちら→「物が語るから物語」


かんじき。ワカン(輪かんじきの略)と言う人もいる。
正真正銘、日本の古道具。とある方から頂いた。
アルミ製のかんじきもあるけど、これは味があって良い。
スノーシューと違い、刃もデッキの布もないので、雪との接地面積が少なく、グリップ力と浮力はスノーシューに比べたら低い。
作りは小さいので、その分小回りが効く。堅雪の時、急傾斜地の時にかんじきは威力を発揮する。


❏その他の小物


ビクセンのルーペ。
私はコンタクトで矯正しているので、細部を観察する視力は良い方だけど、それでも足りない細部を観察する時に使っている。
これは10倍と20倍のレンズが付いていて便利そうだ!と思ったけど、20倍のレンズ経(7mm)は小さくてちょっと見づらい。ひとまずは10倍があれば十分かと思う。それで足りないと感じたら、20倍ルーペを追加購入したら良いじゃないか?
ルーペの使い方は、こことかここが分かりやすい。


ビクトリノックスのスモール・マルチツール。
アウトドアでこんなちっさいナイフを使う人は多分あまりいない。キャンプとか登山とかでは、もうワンサイズ大きい物を持っている人をよく目にする。
けど、フィールドワークの時、植物片をちょっと割いたりする程度の使い方しかしない私は、この小ささと重さが、手指の大きさからしてちょうど良い。
刃はたまに研ぐようにして、かれこれ8年選手。不具合がないので、まだ買い替えられない。
ちなみに、刃の長さが6cmを超える刃物を正当な理由なく携行していると銃刀法違反になるので、気をつけよう。

(こちらは6cm以下)


ガーバーのクルーシャルナイフ。
何年も前に、知り合いのリバーガイドが持ってたナイフと同じメーカーのものを買ってみた。
切れ味良く、各ツールにロック機能があるので安心感がある。
重量140g強は重厚感ありありで、バッグに入れると重い。
よってこれは非常時用。


野帳はコクヨのスケッチブック。
色んなことを書き込む。耐水タイプのものあるけど、ちょっとお高めなので、蝋引き帆布でカバーを自作して間に合わせてる。


速記士や記者用に開発された、プラチナ万年筆㈱のプレスマン。
芯が太く(0.9mm)折れにくい。また、芯自体が長いのでこまめな交換をしなくて済むのが特徴。野外で記帳する時は不安定な場所に立って、あるいは歩きながら書くので折れにくい、交換回数が少ないというのはとても良い。加えて、雨の日は0.5mmのシャーペンだと芯が細くて、品質の良くない耐水紙には書き込めない。書けたとしても芯が細いせいか濡れた紙の表面に引っかかるばかりで色が乗らないが、0.9mm芯のこちらは問題ない。
濃さはBもしくは2Bくらいでちょうど良くなる。HBだと耐水紙に薄く色が付く程度。これを使うようになってから雨の日の記帳もストレスフリーだ。
→詳しくはこちら「記帳におすすめのシャープペンシル


スケール。
植物や足跡等の痕跡を測るのに必須。
昔は、大工だった祖父の木製折尺を譲ってもらって使っていたけど寿命がきたので、現在はホームセンターで買った折尺(シンワ測定株式会社)を使用。無念。



Wクリップ・フラットタイプ。
金具がヨコに畳まれる仕様なので、金具で文字が隠れることなく留められるのが良い。


クマスプレー。
山や人気のない林道、藪こぎへ行かない限り出番はない。
けど、人里近い/町の自然公園ぽい所を歩く時は様子を見て、ごくたまにだけど、護身用に携行する。
そういう場所には、たまに怪しい男の人が出没したりするので、女性は用心に越したことはないと思う。(私は過去に2~3回そういう人に遭遇している)
→ブログ「野山では男性のつきまといに気をつけて

クマスプレーには激烈なカプサイシンが入っているので、誤射にはくれぐれも気をつけよう。
→ブログ「これはクマった」