随分前から気になっていた事。
カエデ類の樹液は晩冬~早春の限られた時期にしか採れない貴重なもので、
それが採れるは1年の間で数週間のみ。
その樹液を煮詰めたものがメープルシロップになります。
カナダではサトウカエデやクロカエデなどの木から、日本のカエデ類からも
産出量は少ないですが採ることはできます。
英書から始まり物語、絵本とそのジャンルのあらゆる本を読んでは思いを馳せ、
実際にそれを試す機会を伺っていました。
物語や絵本のストーリーはフィクションですが、そこで描かれている文化や
自然描写はその土地の風土が表現されています。
単純に樹液を採ってみたいだけだったのが、いつの間にか、メープルの
ある生活に引き寄せられ、どんどん読み広がってしまいました。
思えば叶う、の言葉通り、チャンスが来ればあれこれ試します。
木に穴を開け、チューブを差し込み、いざ!
まもなく滴り落ちる樹液。
それぞれの木・場所・日当たりによって樹液の出具合や風味が異なりました。
今回試したのはイタヤカエデ、この木は変種もあるのでひょっとしたらそれも
影響しているのかもしれません。樹液は打ち止めとなったので、次は葉の展開
を待って識別も頑張ってみようかと思います。
シラカンバと言えば、真っ白な樹皮が特徴的ですが、フィールドを
歩いていると、一部が赤茶っぽい樹皮をした木に出くわしたり、
中には大部分が赤茶色をした木を目にしたりします。それもペンキで
塗ってしまったかのような。
そうした木は、土壌が影響しているだとか、遺伝子で赤くなる性質を持った
木だとか、勝手に漠然とした想像をしていました。
最初にそう疑問に思ってから、かれこれ3年は経ったでしょうか。
つい最近、そんな赤茶色のシラカンバに近づきしげしげと見つめてみると、
なにやら表面の赤茶色の物体がまだらに広がっています。
そして、こすると落ちる!グローブに付く!あれっ!?樹皮が赤茶色じゃなくて、
赤茶色い物体が樹皮に付着してただけなの!?これって地衣類??
といまさらながら気づき面食らいつつ、自宅に帰り調べてみました。
で、この赤茶色の正体は藻類のようなのですが、その生態についてはよく分かって
いないようです。
シラカンバに限らず、樹皮に地衣類(菌類の仲間が藻類を共生さているもの)が
付着して、モザイク模様になっているのをよく見かけますが、色は、白・黄・緑、その他
色々です。そんな木を見て「地衣類が随分ついてる木だなぁ」なんて言ってましたが、
シラカンバの赤茶色がそれだと気付けなかったとは。思い込みの力は侮れませんね。
自分の観察力不足は「やっぱり(笑)」な結果ですが、足りない・知らなかった事に
気づけただけ今回のところはまあ良いか、という事で。
今朝起きると白い世界!「えっ雪?」と思わず突っ込みを入れてしまいました。
日中もけっこう降ってまして、街の人からは嘆きの声が。
と言っても気温は高いのですぐ解けますけどね。
北海道では4月中は一時積雪になる事がたまにあるので油断できません。
だって雪国だもの。
峠道を利用する人の間では、春は5月に入ってからのタイヤ交換が常ですが、
街の人は、タイヤ持ち&燃費を考慮してそれより早く夏タイヤに交換して
しまう人が多いようです。その時は、一応天気予報を見つつ交換するのでしょうが、
こうした変則状況まで予見するのは不可能!こうなったら車での外出は
諦めるしかないです。タイヤ交換に関しては、春と秋にこのタイミングを
めぐるせめぎ合いがあるようで、そんな会話をよく耳にします。
私は天気予報云々でなく、5月と10月に時期を決めてその時期が来たら交換、
と機械的に動いているので悩みなく気楽なものです。
北海道は一時的な積雪により、峠の道はツルッツルのアイスバーン。
朝一だったのと、しばらくぶりの冬道運転に、ちょっと気合入れて
通過してきました。
その4時間後には、花が咲き乱れる関東へ。桜はほぼ散ってました。
文明の利器が凄いのか、南北に伸びて変化に富んだ日本の気候が凄いのか。
ただ今、関東地方は春爛漫です。
しばらくぶりの更新になってしまいました。
1週間の関東遠征から戻り、ようやく画像の整理に着手です。
あちらではヒノキ花粉に目をやられながらも、毎日のようにフィールドワーク。
毎年恒例になりつつある鎌倉では、切通という鎌倉時代に作られた
古道を歩いて、歴史を肌で感じに行ったり・・・
こちらでよく見るマムシグサによく似た、ウラシマソウをそこかしこで見つけたり・・・
神社脇に植えられたムクロジという木の下では、こちらの種子を大量に発見したり。
こちらは、お正月で遊ぶ羽根突きの羽の黒い部分に使われていますが、羽子板で
打っても割れることのないくらい、ものすごく硬い種子です。
羽子板と羽は子供のころ遊んでいましたが、大人になってから実物を手に
取るのは初めて。確かにこんな感じでしたね~。
昨年の今頃へ行ったフィールドへ1年経ってから同じ時期に再訪すると、
自身の成長度合いを確認するのに丁度良かったりします。
昨年は目に付かなかったものが目に付いたり、分からなかったものが
分かるようになっていたり、逆に、昨年と同じ植物でこれ何だっけな?と、
つまづいたりすればまだまだ頭の整理が足りないと、自分の弱点が
見えてきたりするわけで。
昨年大いにハマった、エゾクロクモソウ・ダイモンジソウ・ツルネコノメソウ、
今年もよく目に付きました。特に、ネコノメソウ系に関してはまだ識別が
甘いという意味で(笑)
引き続き課題です。
昨年の秋、青森県にある奥入瀬渓流に行った際、奥入瀬自然観光資源研究会
通称「おいけん」でお世話になりました。その「おいけん」から、先日こちらの
本が発刊されました。
奥入瀬の成り立ちから個々の植生のみならず、哺乳類・鳥類・昆虫・両生類・爬虫類と
あらゆるジャンルの解説が詰まった内容です。個人的には、奥入瀬の地形・景観から
“昔”と“今”そして、“こらから”が想像でき理解できる、奥入瀬の自然誌が大変興味
深い内容でした。奥入瀬に行く前にこういった本で予習できてればより理解が
進んだのになあ、と思ったほどです。
興味のある方はぜひお手にとってみてください。
◆奥入瀬自然観光資源研究会
自宅前の木で数週間前から始まったハシボソガラスの巣作り、自室から暖かい目で
見守っていましたが、先日ふと目をやると巣がなくなっていました。
家に入る直前まで夫婦仲良く巣の周辺にいたのに、あれれ?
気になって外に出てみると巣を支えていた枝がボッキリ折れて地面に落ちていました。
こんな事もあるんですね、本人たちはさぞ驚いたことでしょう。
とは言え、まだ卵は産んでいなかったようです。
他人の不幸はなんちゃら・・・ではありませんが、このアクシデントに便乗して
巣をほぐして中身を見てみました。
枝がメインですが、何かの綿、断熱材の一部、ネット、ビニール紐、トラロープ、
まあまあドコで拾ってくるんだい、と突っ込みたくなる人工物も。
卵が直接置かれる巣のくぼみの内外は、綿の他コケの塊が多く使われていました。
ふかふかのクッションで子どもたちの寝床をこしらえていたようです。
この出来事に警戒したのか、この木の周辺にはもうカラスの姿は見当たりません。
次は枝の安全点検しっかりねー。