ドングリの渋みは同種であってもまちまち

先日、公園を歩いていたら
ドングリの帽子が
大量に転がっていました。
実の方はネズミやリスに
食べられたり、
持ち去られたりしたようで、
ほとんど残っていません。

ドングリの粉を使ったホットケーキづくり
ドングリの粉を使ったホットケーキづくり

そこで思い出した、ドングリの味。
昔、ミズナラのドングリを集めて
アクを抜いて粉にしたことが
何度かあったのですが、
その時に、
アク抜き前の生のものを
いくつも齧ってみたことがあるんです。

結論から言うと、
渋みは個体差アリ、
でした。

うわっ渋っ!というのもあれは、
ん~それほどでも?というものまで、
まぁ、自然のものなので
そういうものだろうと^^

でも、ドングリに含まれている
渋みの成分「タンニン」は
動物の消化器官に悪影響を
及ぼすと知られているので、
冬の間、
これを貯食する野ネズミは
いったいどんな対策をしているのやら、
と思ったことはあります。

出典を忘れましたが、
(いま本棚あさってます)
野ネズミはドングリがなる秋から
食べる量を徐々に増やすことで
体をタンニンに慣らして
冬の食糧難を乗り切っているとかって
読んだことがあります。
あんな小さな体でそんな対策だけで
乗り切れるのか?
やや疑問に思ってそれから数年。

あるサイトを見ていたら追加で判明。
どうやら野ネズミはタンニンが少ない、
つまり渋みが弱いものを
選り好みしているんだとか。
森林総合研究所

ということは、
野ネズミは、秋からタンニン少なめの
ドングリで徐々体を慣らしながら、
餌が不足する冬をそうしたドングリで
乗り切っている、ということなのかな。

ちなみに、
ドングリの種子散布に貢献する生き物は、
リス類、野ネズミ類(アカネズミ、ヒメネズミ)、
カケスやヤマガラになります。
このあたりのことは、
「木と動物の森づくり」に書いてありますよ。

木と動物の森づくり―樹木の種子散布作戦

ちょっと難しいところもあるけど、
こちらもおすすめ。

種子(たね)はひろがる―種子散布の生態学 (平凡社 自然叢書)

どんぐりの身近なことについて
色々書いてくれている人は、
(食べることも含めて)
ゲッチョ先生の右に出る者なし。

教えてゲッチョ先生!雑木林は不思議な世界 (Outdoor21 Books)