冬のニセコには珍しいシカ

道東で見たエゾシカ
道東で見たエゾシカ

豪雪地帯であるニセコで、冬にエゾシカを見る機会は滅多にありません。
エゾシカは体重が80kg以上になる巨体を持つにもかかわらず、
蹄は長さ7cm、幅6cmと、体重の割に小さな足の持ち主で、接地面積が小さい分、
そこに圧が集中して足が雪の中に深く沈んでしまいます。
足の長さと同程度の積雪が生息の限度と言われて、エゾシカはそれがだいたい50~60cm。
人間ならスノーシューという道具がありますけどね。
それでも、ふかふかの雪が毎日降り続いたらスノーシューを履いても膝まで埋まる、
なんて事はよくあるエリアですし、それに加えて、エサとなるササが雪深くに埋もれているので、
エゾシカにとって生存に不利な事は言うまでもありません。
ただ、これは通説で、厳密な調査をしたら実は川沿いやトドマツ林といった場所で生息していた、
なんて結果がひょっとしたら出るかもしれません。

先日、森の中を歩いていると、普段見るのとは違う足跡を見つけました。
足跡の付き方といい、深さといい、夏と違って雪の上でははっきりと
した形が残りにくいですが、よくよく見ると蹄のようで、エゾシカっぽい。
今いる所は積雪が2m弱あるしまさかね、いや可能性はゼロじゃないのかな、
などと自問自答しつつ計測へ。

 

60cmの折尺で色々測ってみると、どうやらエゾシカで間違いなさそう。
という事で、追跡します。

 

木の周辺に付けられた多数の足跡。

むむむ。

近づくとハルニレの樹皮を剥いで食べていたようです。
この木以外にも、剥がされたものは複数ありました。
ちなみに、ハルニレは好んで食べる樹木の一つです。

何してるんだろう、どこ行くつもりなんだろう、と足跡から動きを想像しながら、
ストーキングを継続します。
これが結構面白い。(友達に根暗と言われたことがありますが、楽しいのよ!)
斜面を下りて行くと、足跡は沢に入って行ったり、逆に沢から上がって来たりしていました。
雪が深すぎて沢伝いに移動しているのか、水草を食べに行っているのか。
そのうち出会えないかな?
様子を見てみようと思います。

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コメント: 2
  • #1

    葛西奈津子 (木曜日, 18 1月 2018 18:42)

    1月3日に、有島の千歳林道をスノーシューで歩いていたら、数匹のシカが尻別川を渡って行くのを見ました。わたしもびっくり。

  • #2

    なおみ (金曜日, 19 1月 2018 07:07)

    有島は春・夏でも痕跡とか目撃がある所なので、長期滞在しているのかもしれませんね。
    興味深い情報ありがとうございます!